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【会計】新たに登場、クラウドファンディング保険

クラウドファンディングという言葉をご存知でしょうか?

実際に参加した経験がある人は多くないかもしれません。また、興味はあっても、支援金が本当に目的通りに使われているのかどうか、不安もおありだと思います。

そんな不安を払拭するため、リターンなくとも支援金の最大8割が保証されるという、日本初の「クラウドファンディング保険」が登場しました。

クラウドファンディングとは?

クリエイターや起業家などの個人が、自らのアイデアをかたちにするためにプロジェクトを起案し、支援者を募り、広く資金調達する手段を「クラウドファンディング」といいます。

そのプロジェクト内容はさまざまですが、支援者は資金を通じ、自分の手でプロジェクトを育ていくという喜びがあります。

支援のかたちも、金額に応じてリターン(返礼品)を受け取ることができる購入型のプロジェクトや、寄付型、金融型などさまざまです。

クラウドファンディング詐欺に備える保険登場

しかし、一方で問題も起こっています。

クラウドファンディングを先導するアメリカなどでは、近年プロジェクト実行者による悪質な「クラウドファンディング詐欺」が横行しています。

資金調達が成功すると、途端に連絡が取れなくなり、資金を持ち逃げしてしまう、または使い物にならない製品が届くといったケースが多発しているようです。

そういった事態に備え、国内最大のクラウドファンディング・プラットフォームを運営する株式会社CAMPFIREは2月17日、日本で初めて「クラウドファンディング保険」の導入を発表しました。

支援者としてはとても安心なこの保険ですが、保険料の財源など気になることもあります。

—背景として、日本でもリターンの不履行が多くあるのか?

現状は片手で数えられる程度で、累計プロジェクト掲載数における不履行の割合は0.1%未満といわれています。

—今回の保険がなぜ導入されたのか?

プラットフォームという性質上、基本的には実行者と支援者との相対取引となります。もしリターンの不履行が発覚したとしても、外部の者が双方に介入することは困難です。クラウドファンディング保険を提供することで、実行者と支援者の不安を少しでも払拭できるのではというのがこの保険の主な目的です。

 

「クラウドファンディング保険」の流れ

(画像は株式会社CAMPFIREプレスリリースより)

同社は東京海上日動火災保険株式会社と連携し、プロジェクト実行者による横領や持ち逃げ、または倒産によりリターンが不履行となった場合など、不測の事態が発生したときに、支援者から同社へ「リターンが届かない」と連絡が入ることで実態を調査します。

プロジェクト実行者の横領・会社の倒産などの事実が認められた場合は、所定の審査のもと保険が適用され「支援金額の80%」を上限とし、支援者に返金するとしています。

—この保険料の負担者はプロジェクト実行者?支援者?

今回の保険は、東京海上日動と株式会社CAMPFIRE間の契約になります。費用負担者は株式会社CAMPFIREであるため、プロジェクト実行者と支援者は、実質的な負担はなくこの保険を利用できるようです。

保険導入の動き、他社にも

—このようなクラウドファンディング保険は、今後他社にも広がりをみせるのか?

2月17日の日経新聞によると、東京海上日動火災保険は、「他サイトへの保険販売も検討している」とのことです。

また、矢野経済研究所の調査では「2016年度のクラウドファンディングの国内市場規模は前年度比32%増の477億円となる見通し」と、市場が急拡大していることがわかります。

そのため、「サービスの利用者である実行者・支援者の不安を軽減することは業界としても急務」であると考えられます。

導入は3月から。保険開始が市場拡大の後押しになることに期待が高まっています。

 

【税理士法人Bridge大阪】

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