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【平成29年1月の会計】支払報告書・源泉徴収票電子提出一元化

給与・公的年金等のeLTAXでの一括作成・提出(電子提出の一元化)について

1 概要

給与や公的年金等の支払をする事業者の方は、一定額以上の支払に係るものについて、受給者の方がお住まいの市町村に支払報告書を提出するほか、記載内容がほぼ同一の源泉徴収票を事業者の方の所轄税務署にも提出する必要があります。

平成29年1月以降、地方税における手続を電子的に行うシステムである地方税ポータルシステム(eLTAX)を利用して、市町村に提出する給与や公的年金等の支払報告書の電子申告用のデータを作成する際、税務署に提出が必要な源泉徴収票の電子申告(e-Tax)用のデータも同時に作成することができるようになります。

同時に作成したデータは、eLTAXに一括して送信することで支払報告書は各市町村に、源泉徴収票についてはe-Taxで事業者の方の所轄税務署にそれぞれ提出されます。

【ご注意!】

○ この提出方法は、オンラインにより電子的に給与・公的年金等の支払報告書及び源泉徴収票を作成・提出する場合の仕組みであるため、光ディスク等や書面により提出する場合には、従来どおり、市町村及び税務署にそれぞれ提出する必要があります。

○ この提出方法は、eLTAX対応ソフトであるPCdesk(対応税務ソフトを含みます。)を利用することが必要となりますので、e-Taxソフト等、e-Taxのみを対象としたソフトでは、一括作成・送信は行えません。

<イメージ図>

イメージ図

1 電子的提出の一元化ができる対象帳票

(1) 地方税

1 給与支払報告書(個人別明細書)(平成28年分以降用)

2 給与支払報告書(総括表)(平成28年分以降用)

3 公的年金等支払報告書(個人別明細書)(平成28年分以降用)

4 公的年金等支払報告書(総括表)(平成28年分以降用)

(2) 国税

1 給与所得の源泉徴収票(平成28年分以降用)

2 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(平成28年分以降用)

3 公的年金等の源泉徴収票(平成28年分以降用)

4 公的年金等の源泉徴収票合計表(平成28年分以降用)

2 電子的提出の一元化を行うためのe-Taxにおける事前準備

 給与・公的年金等の源泉徴収票をeLTAXに一括送信するためには、e‐Taxの利用者識別番号の取得や電子証明書の登録などの事前準備が必要です。

3 送信内容の確認

 送信した源泉徴収票のe-Taxでの受信結果については、e-Tax受付システムへログインし、メッセージボックスに格納されている受信通知により確認する必要があります。

2 電子的提出の一元化について調べる

※ eLTAXでの提出用データの作成等については、eLTAXホームページをご確認いただくか、eLTAXヘルプデスクへお問合せください。(eLTAXホームページへ移動します)

3 電子的提出の一元化により源泉徴収票の本店等一括提出を行う場合

(1) 本店等一括提出に係る承認がお済みの方

1 eLTAXにおいて合計表作成の際に、「本店一括」欄にチェックを行った上で、合計表及び源泉徴収票を送信してください。

2 本店等一括提出を行う場合に添付する合計表付表は、eLTAXでは作成・送信ができませんので、別途、e-Taxソフト(WEB版)等から作成の上、送信してください。

(2) 本店等一括提出に係る承認がお済みでない方

1 提出する日の2カ月前までに「支払調書等の光ディスク等による提出承認申請書(兼)支払調書等の本店等一括提出に係る承認申請書(PDF/176KB)」を所轄税務署に提出してください。

21の申請書を提出し、承認された後の手続は、(1)と同様です。

 

振替納税の領収証書送付取りやめのお知らせ 国税庁 平成28年11月

現在、国税を口座振替により納付していただいた方には、口座振替の都度、金融機関から領収証書が送付されていますが、会計検査院の指摘を踏まえ、国の経費節減の観点から、平成29年1月以降、領収証書の送付に代えて、次のとおり対応します。

なお、平成28年12月までは、これまでどおり金融機関から領収証書が送付されます。

1 振替納税を利用している方で申告所得税及び復興特別所得税又は消費税及び地方消費税の申告書をe-Taxにより申告している方は、e-Taxホームページ等の「振替納税結果」メニューから振替納税結果が確認できるようになります。

2 振替納税を利用している方で書面による証明が必要な方には、税務署にて口座振替がなされた旨の証明を行います。

 

平成29年1月の会計

 

年末調整の仕上げ

1月は年末調整の仕上げとして、次のような源泉徴収事務を行なう必要があります。

①納付税額の計算と納付書の作成

1月の納付税額は、年末調整による過不足額を精算した後の金額となります。納付書(徴収高計算書)を作成する際には「年末調整による過不足税額」欄に該当金額を記載します。

②提出の証明書類の提出督促

年末調整の際、生命保険料や地震保険料の払込証明書、住宅借入金特別控除証明書など、各種控除に必要な証明書類を提出しなかった社員がいる場合は、改めて提出を促します。これらの証明書類が提出されないと、社員は各種控除が受けられず、事務的にも年末調整の再計算を行なって不足額を徴収(控除)する手間が発生します。

 

法定調書の作成と提出

1月は、「給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)」をはじめ、各種法定調書の提出月です(提出期限は、原則として1月末日です)。

源泉徴収票は、1通を社員本人に交付します。ちなみに、この源泉徴収票には1年間の給与の収入金額と所得税の年税額が記載されていることから、ほかに所得のない給与所得者にとっては、所得税の確定申告書に準ずるものと考えられています。また、2016年中の給与等の金額が150万円を超える役員あるいは役員だった人や、同じく500万円を超える一般社員については、税務署にも1通を提出します。

給与支払報告書は、複写分とあわせて2通とも、各人の2017年1月1日現在の住所地の市区町村に提出します(2016年中の一定の退職者分も含みます)。必要に応じて、退職所得の源泉徴収票なども期限までに税務署や市区町村に提出します。

法定調書を作成したら、それらをまとめた合計表(「給与所得の源泉徴収票合計表」など6種類)を作成し、期限までにあわせて提出します。

 

扶養控除等(異動)申告書の受理とチェック

1月の給与計算を開始するにあたり、2017年分の「扶養控除等(異動)申告書」を社員(雇用期間が2か月以内の者以外)に配付し、必要事項を記入のうえ、提出してもらいます。

扶養控除等(異動)申告書を提出できるのは1か所に限られていますから、役員などで2か所以上から給与の支払いを受けている場合は、提出先の確認が必要です。

また、2か月以内の短期雇用者であっても、契約延長や再雇用により2か月を超えて働く見込みがある場合などに提出してもらえば、源泉徴収税額表の月額表もしくは日額表の甲欄を適用して、税負担を軽減できます。

申告書を受理したら、記載内容をチェックし、源泉徴収簿(賃金台帳)に税額表の適用区分、扶養親族の人数など所要事項を正しく記入します。

なお、マイナンバー(個人番号)の記載は基本的に必要です。ただし、従業員本人、控除対象配偶者または控除対象扶養親族等の氏名および個人番号等を記載した帳簿を備えている場合には、個人番号の記載は必要ありません

 

償却資産申告書の提出

固定資産税は、その年の1月1日現在所有している土地・家屋・償却資産に課される市町村税です。

このうち償却資産については、所有者から提出された償却資産申告書に基づいて課税されます。

申告用紙や説明書などは、2016年12月中に市町村(東京23区では都税事務所)から送られてきます。

提出期限は、原則として1月末日です。

 

資金繰りの確認

1月は、賞与から徴収した社会保険料の支払い、年末調整の結果による過不足税額の精算など、例月とは異なる資金需要が発生します。

クリスマス商戦や年末商戦用に仕入れた商品などの支払いも重なる時期です。

早めに年度末までの資金繰りを確認し、借入の必要があれば金融機関に打診しておきましょう。

 

マイナンバー取扱規定の見直し

2016年1月からマイナンバー制度が開始されましたが、その後、運用方法について見直しが行なわれ、当初はマイナンバーの記載が求められていた多くの書式で、必ずしも記載をしなくてもよいという扱いになりました。

それに伴い、マイナンバーの取扱規定についても見直しが求められます。今後の運用方法等の変更にも注意したいところです。

 

【税理士法人Bridge大阪】

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