【平成29年9月の会計】自動車保険の値下げ、カーシェアリング-「シェアリングエコノミー」の今
事故を起こしてしまい、車の修理代を損保会社に請求しようと思ったら、「そのくらいの金額で保険を使ったら、来年から保険料がグンと上がるのでソンしますよ。」と担当者に言われて、自腹で払った。
そんな体験をした方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そうなってしまう理由は、2013年10月から導入された『事故有等級制度』にあります。
損害額が数百万、数千万円といった高額ならともかく、軽微な事故で、今後も自動車保険をかけ続けるユーザーの場合、「自腹で払っておいた方が先々トク」という判断になることがあるのです。
自動車保険の収益増加 背景には契約者の『自腹』
損保協会は、自動車保険の参考料率を平均8%引き下げると発表しました。
これにより大手損害保険各社は、自動車の保険料を2018年1月から引き下げます。各社とも平均で2~3%引き下げる見通しで、下げ幅は十数年ぶりの大きさになっています。
自動車への衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の普及など安全性能の向上で事故率が低下し、損保各社の収支は改善していますので、保険料引き下げの動きは一段と加速することが予想されます。
▷関連コラム 『損保大手、3社とも最高益に』 2017.7.10 Up
利益を生んだ背景について、『事故有等級』の導入による請求控え、つまり契約者の『自腹』分もその一因になっていると考えられます。
2018年度の引き下げに関しては、どのように対応していくかという点で競争が生じ、各社の営業戦略が”保険料”に影響してきます。よって各社ごとに値下げ幅や実施時期におのずと差は出てくるでしょう。
ただ、2019年10月、保険料を上げる要因となる 消費税 増税 が予定されています。
消費税の問題を切り離して保険料を改定するのか織り込んで行うのかは、各社の判断により、消費税増税が値下げ幅などを決める際の重要な要素になると思われます。
ネットでクルマを貸し借り カーシェアのこれから
カーシェアリングサービスを展開するある企業は今秋から、不慣れな土地での駐車場探しなどに役立つ駐車場検索・予約サービスを開始する予定です。
スマートフォンやパソコンで目的地の登録された駐車場を検索、空き状況を把握してそのまま予約するだけ。混雑しやすい人気スポットやイベント開催時の駐車場探しでも、事前の予約などが簡単にでき、時間的なロスや探すストレスを解消、利用料金も相場より割安といいます。
クレジットカード決済で、精算の手間もなくスムーズ。登録駐車場のほか、全国にある数万件の時間貸し駐車場のデータの検索が可能になるとのことです。
一方、空き駐車スペースを持つ土地オーナーが登録(無料)すれば、有効活用につながっていきます。
多くの駐車場を所有する事業者の場合は、パートナーとしてこのシステムを活用することができるのです。
シェアリングサービスにおける国内市場拡大
住宅や自動車などを個人間で貸し借りする「シェアリングサービス」の国内市場規模は、年間1兆1812億円との推計結果が発表されました。
将来的には2兆6323億円まで拡大すると試算しており、今後、個人による遊休資産の活用はさらに活発化しそうです。
〈市場規模〉は、シェアリングサービスの利用状況などのアンケート調査をもとに、総務省の年代別人口、インターネット利用率調査を用いて推計されました。
調査対象となったシェアリングサービスは、
①住宅などの「スペースのシェア」
②フリーマーケットなどの「モノのシェア」
③カーシェアなどの「移動のシェア」
④クラウドソーシングなどの「スキルのシェア」
⑤クラウドファンディングの「お金のシェア」 の5分野です。
分野別でもっとも大きかったのは「スペースのシェア」で6783億円、以下、「モノのシェア」が2197億円、「移動のシェア」が1181億円と続きました。
【情報通信総合研究所(NTT系列シンクタンク:東京都中央区)調べ より】
いま流行りの「シェアリングエコノミー」市場が拡大していく3つの理由
「シェアリングエコノミー」とは、モノやサービスなどの交換・共有によって成り立つ経済のことです。
使っていないものを有効活用できる
駐車場を所有しているけれど、車は持っていない。家や会議室が余っている……そういった「利用されていない資産」を有効活用できるのがシェアリングエコノミーの特徴です。資産を持っていない人は最低限の費用でそれを利用でき、資産を持っている人はそれを有効活用して利益が得られます。
値段が安い
使いたいときに使いたい分だけ利用できるシェアリングエコノミーはとても合理的です。
ユーザー同士が直接やりとりすることができる仕組みが発達し、お店への手数料を払う必要もなくなり、従来より安い値段で必要なものを手に入れることができるようになったのです。
エコである
これは意外に重要なポイントなのではないかと思います。地球の資産は限られています。大量生産・大量消費の時代はもう過去のものになったのかもしれません。これからは、今あるものを大切に、有効に利用するという発想が重要です。
シェアリングエコノミーの注意点
シェアリングエコノミーは、一つのものを多くの人が利用するため、トラブルが起きた場合のことを想定しておく必要があります。
具体的には、共有するものを壊してしまったときの保証や、金銭や商品のやり取りに関するトラブルなどです。
Airbnbでは利用者に身分証明を義務付けていますし、Spcemarketでは利用者が保険に入ることを義務付けています。
UBERはユーザーがタクシー運転手の評価をするだけなく、運転手側からユーザーの評価もされており、相互に「自分にとって不利益となる行動」が抑制される仕組みを採用しています。
メルカリでは商品と金銭のやりとりを仲介することで、商品の未着や金銭の支払いトラブルを防ぐ対策をしています。
シェアリングエコノミーの可能性
欧米では、空き時間の労働力を提供するというシェアリングエコノミーも登場しているといいます。
この場合、資産は「自分」というわけです。
日本でもクラウドソーシングが流行していますし、単純に「モノ」だけでなく、時間や労働力までシェアするというサービスは今後も増えていくのではないでしょうか。
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平成29年9月の会計
▼期央での収支計画の見直し
3月決算の会社では、9月までの上期の実績を踏まえて、年度収支計画とその進捗状況を検討します。
経理部門では、月次決算の実績・関連資料、景気見通しや業界動向などの各種データを揃え、年度計画達成に向けた取組みを強化したいところです。
利益確保のためには採算分析が欠かせません。製商品・得意先ごとの売上や利益への貢献度を検討しましょう。
また、在庫についても適正かどうかを確認し、不要なものは早めに処分を進めたいところです。
全社的な経費では、事務機器賃借料、事務用品費、諸会費、慶弔費など1つひとつを点検し、予算対比の増減要因を分析することが大切です。
▼資金繰り計画の策定▼
下期の製造・販売計画に基づいて、年末、年度末までの資金繰り計画を策定します。とくに年末は、歳末セールや賞与の支給などもあるため、資金手当てには注意しなければなりません。
検討の結果、借入が必要になる場合は、金融機関に対し、早めに金額と時期を伝えましょう。
「資金繰り表」「返済計画表」「業況説明書類」は、借入申込みに際して欠かせない資料です。
社内的には、収支計画などと対比させながら、どこ(何)に資金を優先的に充当するかをチェックします。あわせて取引先の信用管理を徹底し、売掛金の完全回収に努めましょう。
▼レクリエーション費などの経理処理▼
会社が支出した社員のレクリエーション費用は、原則として「福利厚生費」として処理します。
ただし、金額や使途によっては、税務調査などで問題になる可能性もないとはいえません。実施内容やスケジュールに関する資料は確実に保存しておきましょう。
また、夏から秋にかけては、地域の祭りや各種イベントが催されます。こうした行事などに対して支出した協賛金などの扱いにも注意を要します。
▼被災時の優遇税制の確認▼
9月1日は「防災の日」です。地震や火災、風水害など、非常時に対する備えを再確認しておきましょう。
会社や工場が被災して損害を被ったときには、納税の猶予など、税制上の優遇措置が活用できます。
なお、個人の住宅や家財などが被災した場合には、その被害額は雑損控除の対象として一定額の所得控除を受けられます。
被害額が資産の50%以上のときは〈災害減免法の対象〉ともなり、有利なほうを選択適用できることを、社員にアドバイスしておきましょう。
▼中間決算棚卸の実施▼
帳簿に記載された在庫と実際の在庫数量は本来一致しているべきものですが、盗難、紛失、記帳ミスなどの理由から差異が生じることがあります。
そこで、定期的に実地棚卸を行なう必要があります。一般的には決算期末に実施しますが、3月決算の企業が中間決算に際して棚卸を行なう場合は、9月中に実施することになります。
作業範囲、数え方、棚卸表への記入方法を担当者に前もって指示し、その理解度を確認しておくなど事前準備を万全にして効率よく進めましょう。
▼税務調査への対応▼
秋は新事務年度の方針に基づいて、税務調査が本格化する時期です。
常日頃から正しい処理をしていれば、過度に恐れることはありません。税務調査の打診があったときは、きちんと説明できるよう準備しましょう。
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