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【平成29年5月の経営管理事務】格安にならないガス自由化

【各所からのお知らせ】

国民生活センタートップページ

昨年4月の電力に続き、都市ガスの小売りが4月1日から全面的に自由化されました。自由化スタートにより、いくつかの新規参入企業がガス料金プランを発表しています。

 

(図) ガスの小売全面自由化に関する

国民生活センター等への相談件数の推移
2016年度から2017年2月までの相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

(国民生活センターHPより)

 

しかし、料金プランを見て乗り換えを断念する消費者も少なくないのではないでしょうか?

“そう大して安くならない”という声が非常に大きいものとなっているようです。

ではどうして、皆が期待しているような「格安ガス会社」が出てこないのでしょうか。

 

ガス自由化、思ったより安くならない理由

1.参入企業が少なく競争が起きていない

ガス自由化で新規参入を果たした会社は、全国でも片手で数えられるほどしかありません。新規参入が無い地域が圧倒的に多いですし、参入がある地域についても新規参入はせいぜい1社だけです。

このような状況で、従来のガス会社と新規参入のガス会社が入り乱れた激しい競争が起こるわけがありません。競争が起きなければ価格競争する必要もありませんから、「思ったより安くならない」のは当然の結果と言えるでしょう。

新規参入が少ない中でも、関西エリアでは関電と大阪ガスが激しい競争を繰り広げています。

関電では、電気とガスを一緒に契約した世帯を対象に値引きする「セット割」で、既存料金よりも最大約13%安いガス料金を発表。徹底したCM戦略を展開し、20万件以上の初年度目標に対し事前申し込みは約10万件を見込めるものとなりました。同時に、電気料金の値下げも表明し、価格競争力を高める攻勢を強めています。

昨年電力小売りに参入した大阪ガスも、ガス料金を値引きするセット割をPR、その値下げ競争に拍車が掛かっています。

このように、大阪ガスエリアについては、乗り換えてもいいかなと思えるようなプランを関電が提示しているので、新規参入企業の数だけが問題ではないとも言えます。

ただ、全国では一般家庭向けのガス供給を新たに始めるのは東京、関西、中部、九州の大手4電力などごくわずかです。北海道や東北地方ではゼロ、関東でも東京電力エナジーパートナーの参入が7月にずれ込み、東京ガスが値下げを見送るなど盛り上がりには欠けています。

2.ガス供給にはコストが掛かる

ガス自由化にあたり障壁となっているといわれているのが、新規参入の会社は法律に定められた保守点検業務を遂行する責任を負なければいけない点です。必ず現地(各家庭)に検査員を派遣して定期的に点検しなければならないので、その分コストが高くなります。

既存の都市ガス会社も同様の責任が課せられていますが、作業員の人員の確保や教育なども含めて完成されたシステムを既に持っているわけです。一から揃える(もしくは外部委託)必要がある新規参入企業の方が不利になります。

3. 元々の料金が安い

政府統計によれば、1世帯あたりのガス料金の平均支払額は5千円程度。1万円を超える電気代と比べると、半額程度に留まります。

元々の金額が小さい分、仮に同じ「お得率」を実現したとしても絶対的な額が小さくなるのは仕方ないことです。

4.都市ガスの代替サービスの存在

地域独占で競争が無かったと言われる都市ガス業界ですが、これまでも全く競争に晒されていなかったわけではありません。

東日本大震災までは、電力各社が普及につとめていた「オール電化」との間で激しい競争が繰り広げられていました。また、地域によってはプロパンガス(LPガス)が競争相手になる場合もあり、そうした代替サービスとの競争を戦ってきた経緯があります。

これまで高コスト体質だったという批判もある一方で、料金面の魅力を打ち出さなければ代替サービスとの競争に負けてしまうということで、自由化前から既に世間が思っていたより「価格面」での企業努力があったのかもしれません。

5.まとめ

制度上は、消費者が安価なエネルギーを自由に選べる時代を迎えたかのようですが、大手電力を除きガス参入の動きの鈍さ、値下げ競争における「西高東低」地域差が大きいなど、自由化の恩恵が全国に広がるかはまだまだ不透明です。

ガス管の整備率が国土面積の6%弱にすぎないことも背景にはあります。

一方、ガスや通信、石油、鉄道など多様な業種が参入した電力自由化も、開始1年で契約切り替えは5%程度と伸び悩んでいます。使用量の通知遅延などシステムトラブルも相次ぎ、これからも両者で課題が浮かび上がっていくのではないでしょうか。消費者には、これらの動きに注目しながら冷静に判断することが今求められています。

[国民生活センター] ガス小売全面自由化における注意喚起文書-[PDF形式]

 

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5⽉中に市区町村から各⼈別の特別徴収税額の通知書が送付されてきますので、従業員各⼈に通知するとともに、6⽉からの特別徴収事務に備えます

▼労働保険の年度更新の準備▼
6⽉からの年度更新事務に備え、賃⾦総額の集計などの準備を始めます(7⽉10⽇が期限)

▼夏季賞与の⽀給額の検討▼
収集した資料・情報をもとに⽀給額を検討し、各⼈の査定を⾏ないます

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新⼊社員などに「5⽉病」の兆候がないかチェックし、あれば善処するようにします

▼暑中⾒舞状の準備▼
暑中⾒舞状を印刷に出す場合は、デザインの検討と枚数の確認をしておきます

▼中元の準備▼
デパートの内⾒会に出向くなどして、品選びをしておきます

▼⾐更えの準備▼
6⽉から⾐更えを実施する場合は、5⽉中にサイズ、数量等のチェックを済ませ、事前に配付できるように⼿配します

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冷房設備・器具の点検と整備を⾏ない、いつでも使えるようにしておきましょう

 

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