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【平成29年9月の税務】変わる電子申告-〈政府税調〉手続簡素化・利用拡大に向け検討-

カテゴリ:
【税務】
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国税庁電子申告

政府税調、納税の簡素化の検討と利用拡大へと動き始めました

 

政府がようやくICT(情報通信技術)を活用した税務手続きの簡素化に本腰を入れ始めました。

政府税制調査会(首相の諮問機関)は今年6月、総会を開き、米国、カナダ、英国、フランス、エストニア、スウェーデン、韓国など、税務手続きのICT化先進7ヵ国を視察してきた委員による調査報告を行いました。

 

報告によると、電子納税手続きの推進が最も進んでいるエストニアでは、電子申告の利用状況(2013年)が所得税で95%、法人税で99%、付加価値税で99%とかなりの高水準となっています。

国を挙げてICT化を進めており、納税者利便の向上のため、雇用者等から集められた情報を国税当局があらかじめ申告書に記入し、納税者に提供することで納税者の税務申告を支援するサービス(記入済申告書)を導入しています。

国税当局が、給与や社会保険料などがあらかじめ記入された(記入済申告書)をポータルサイトで提供し、利用者はスマートフォン(スマホ)やパソコンで修正して送信するだけで手続きが終わります。

 

【エストニア】

エストニア共和国、通称エストニアは、北ヨーロッパの共和制国家。EUそしてNATOの加盟国、通貨はユーロ、人口は134万人。首都はタリンである。 フィンランド、ロシアと共にフィンランド湾に面する3つの国の一つで、湾をはさみフィンランドから約90km南に位置する。 〈ウィキペディア〉
エストニアの地図

 

電子申告割合では、イギリス(98%)、フランス(96%)、韓国(98%)も高水準で、記入済申告書については、スウェーデン、フランス、カナダも導入しています。

電子申告の利用率が9割を超える韓国では、医療費控除などの情報を国税当局が収集をおこないます。あらかじめ税務手続きシステムに登録することで、納税者が必要な書類を集める手間を省けるといいます。

 

これに対し、日本における電子申告利用状況(2015年)は、法人全体で75%、大企業では52%にとどまっており、国税と地方税の電子申告・納税システムの連携も道半ばであり、使い勝手の悪さも指摘されているところです。

▹関連コラム【平成29年6月の税務】法人税、電子申告義務化へ 2017.6.12 up 

例えば、国税と地方税では、電子申告でも同じ内容をそれぞれ別に入力させられるケースがあります。法人を設立する届け出を電子的に手続きする時にも手間がかかることがあり、こうしたシステムの見直しがこれからの課題となります。

 

政府は今後、今回報告された税務手続きITC化先進諸国の例を参考に、大企業の電子申告義務化や、ネット上で納税手続きが完結する電子納税の拡大などについての詳細を検討していきます。

 

日本でも”民泊”や”カーシェア”といった「シェアリングエコノミー」が広がり、税務当局の目が届きにくい経済活動が増えています。

 

政府税調会長は「納税をめぐる環境変化に対し、ICT化の推進や税務情報の処理のありかたを中長期的に議論する」と話します。

 

政府は規制改革推進会議で、電子納税を普及させることで企業の事務作業費などを2割削る方針を打ち出しています。政府税調は、所得税の年末調整に必要な書類の電子化も、同時に目指していくとのことです。

 

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平成29年 9月の税務

[9月11日]

8分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

[10月2日]

7月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>

1月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>

消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

 

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