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コラム

【会計】マイナス金利、生保へ波及-販売停止・値上への動き-

投稿日:2017.03.31

2016年2月16日に導入されたマイナス金利が、私たちの家計にも影響を及ぼし始めています。

なかなか目にはみえにくいところですが、保険商品についても、販売停止や保険料値上げなど影響が出始めています。

日銀のマイナス金利導入を受け、生保各社は貯蓄性の高い一時払い終身保険個人年金など一部商品を販売停止、または販売抑制する方針を固めました。

マイナス金利はなぜ導入された?

日銀がマイナス金利を導入した理由は、大きく以下の二つが考えられます。

①外国との金利差がひらくことで円安になる。結果、輸出産業に好影響となる。

②民間の銀行が日銀にお金をストックしておくと損をしてしまうため、お金が市場で流通し消費や投資を喚起して景気が良くなる。

ところがこの日銀の思惑とは逆に、中国経済の悪化や原油安などから、マイナス金利導入とともに円高・株安が進むこととなりました。

下の図は【10年国債の利回りの推移】です。

日銀のマイナス金利政策導入を機に利回りが大きく低下し、マイナス利回りに突入していることがわかります。
マイナス利回りとは、国債で資金を運用しても、増えるどころか減ってしまうことを意味します。

【10年国債の利回りの推移】

(出典)財務省ホームページ

国による標準利率の引き下げ

こういった金利の動向を受け、国は標準利率を現在の1%から、2017年4月以降0.25%に引き下げることを決定しています。
保険会社はこの標準利率を目安に保険料や予定利率を決めるため、2017年4月の標準利率の引き下げが背景となり、生命保険各社は値上げ・販売停止などを実施、検討しているのです。

マイナス金利の生命保険会社への影響

生命保険会社が契約者から集めた保険料は、保険金の支払いのための資金にするため『責任準備金』としてストックされています。そしてこのストックした準備金を、比較的安全な資産とされている国債で運用しています。

生命保険各社は(1)金利の動向に基づいて、(2)国が決める標準利率を目安に、契約者に約束する利回りである予定利率や契約者が支払う保険料を決めています。

マイナス金利が導入されたことにより、長期的に生命保険会社の運用益が減り、あらかじめ保険契約者に高い利率で約束してあった保険金を保険金契約者に償還すると、保険会社に損失が生じてしまうことになります。

ですから、保険会社は運用利回りが低下している中でも、将来の保険金支払いに備えて一定の資金を運用して積み立てておく必要があり、値上げや販売停止などの対策が必要となってくるのです。

特に一時払い終身保険は、契約者が一括で保険料を納め、そのお金を保険会社が長期間にわたって国債などで運用するため、金利低下やマイナス金利の影響を大きく受けます。

マイナス金利が長期化すれば、他にも貯蓄を目的とする学資保険個人年金保険など、月払いや年払いの商品にも影響が出てくる可能性があります。

既に商品の販売停止は始まっており、2016年4月以降、生命保険各社は貯蓄性の高い保険商品を中心に販売停止が行われています。

保険料にどう反映される?

2015年は一時払い終身保険が好調で、19年ぶりに個人で契約する生命保険の総契約高が前年を上回りました。退職金等まとまったお金の運用先として、利用が多かったことが考えられます。しかし、マイナス金利の導入によって、生保各社は販売好調だった貯蓄型保険の販売停止や販売抑制等をせざるをえなくなりました。

私たちが考えておくべきことは?

すでに契約済みの生命保険は、マイナス金利になっても保険料が上がることはありません。まずは自分が加入している保険の内容を確認することが大切です。

利率が固定されている保険はもちろんですが、市場金利に応じて利率が変わる利率変動型終身保険(アカウント型など)の場合でも、最低金利が保障されています。終身保険や学資保険、個人年金も受取額が決まっている商品については、約束された額を受け取ることができます。

また、貯蓄性が高い低解約返戻金型の積立利率変動型終身保険は、市場の金利変動に対応する商品ですが、積立利率に最低保証があります。

元本割れする可能性はないのかということも含めて保険会社に確認しておきましょう。

保険料の値上げは2017年4月をめどに行われる可能性が高く、値上げ幅は1~2割程度と見込まれています。

貯蓄性の高い学資保険や終身保険、年金保険等の一部は既に販売停止になっており、今後も販売停止商品が増える見込みは高く、生命保険を考えている方は、早めに検討されるとよいでしょう。

これから保険への加入を検討されるポイント

今後保険への加入を検討される方にとって知っておくべきポイントは以下の3つです。

  1. 貯蓄性の商品は販売停止や保険料が値上げされる商品が増える可能性がある

終身保険、学資保険、個人年金については、払込保険料に対する受取額(返礼率)をしっかりと確認しましょう。

  1. マイナス金利の影響で予定利率が下がり保険料は上がる

予定利率とは、保険会社が保険の契約者に約束する運用利回りのことです。マイナス金利の影響で、掛け捨ての保険商品も、保険料が値上がりする可能性があります。

  1. 保険会社の破たんリスクを考える

終身保険や個人年金保険など、数十年にわたって保険料を納め続ける場合、保険会社の安全性も考える必要が出てきます。保険会社の健全性を表すソルベンシーマージン比率なども参考にしてみましょう。

※ソルベンシーマージン比率とは

保険業界では広く知られている 保険会社の財務健全性を示す指標です。 簡単に言うと「通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる支払余力をどれだけ有しているか」を判断するための行政監督上の指標のひとつです。

ソルベンシー・マージン比率の計算式は以下のとおり。

{\displaystyle A=\left({\frac {C}{\left(B\times 0.5\right)}}\right)\times 100}

A:ソルベンシー・マージン比率(%)
B:通常の予測を超える危険
C:ソルベンシー・マージン総額(有価証券の含み益などを含む広義の自己資本額のこと。)

この数値が200%を下回った場合、原則として金融庁から何らかの監督上の措置(早期是正措置)がとられることとなっているため、行政上の取り扱いとしては200%を超えていれば安全な会社とみなす、とされているものと考えられています。

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