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【平成29年5月の会計】上場企業”不適切会計・経理"開示最多に

「不適切会計」開示した上場企業、2016年が過去最多に

2016年「不適切な会計・経理」を開示した上場企業が57社にのぼることが分かりました。(東京商工リサーチ調べ)

調査を開始した2008年以降では最多となるものです。

不適切会計は調査開始時の2.2倍に急増

調査によると、不適切会計を開示した企業は、2016年は57社58件で、調査を開始した08年から12年までの4年間ほぼ変わらなかったものの、13年から増加。16年の57社58件は2008年の25社25件から倍増しています。

内容別にみると、一番多いのが「誤り」で25件(43.1%)。中でも東証一部上場の大企業の増加ぶりが目立ちます。続いて「粉飾」が24件(41.4%)、「着服横領」が9件(15.5%)。

企業会計には、時価会計や連結会計など厳しい会計手続きの知識が必要であり、正しい会計知識不足、さらに企業の人手不足が、不適切会計を生み出す要因となっています。

「粉飾」では、子会社や関係会社との間で売り上げを過大計上させる、売上原価を先送りさせるなどの内容がありました。企業側は株主に期間利益のねん出や業績の拡大が求められているため、高い目標を設定し、それを達成するためのノルマが強化されます。厳しいノルマが現場を追い込み、管理部門とのコミュニケーション不足経営計画と現状との間に生じたギャップを埋めるため、不適切会計が増加していることも考えられます。

また、厳格な運用が求められる企業会計についていけず、処理の誤謬が生じたケースも散見されました。過度なノルマや業績至上主義、適正会計に対するコンプライアンス意識の欠如など、健全な会計意識の定着遅れが温床となり、不適切会計は高止まりしています。

東芝の不適切会計で監査が厳格化

2015年5月に東芝の不適切会計が発覚したことで、上場企業の決算に対しての信頼性が揺らぎ、監査体制はさらに厳格化されることとなりました。

それ以前にも2011年に発覚したオリンパスの損失飛ばし事件があり、2013年3月に会計上の不正に対する監査手続きは強化されています。大きな不適切会計が発覚するたびに監査基準は強化されており、終わりが見えない状況です。

不適切会計をなくし、健全な企業会計を行うには企業側に高いコンプライアンス意識が不可欠となります。また、高すぎる目標設定で現場を追い込むのではなく、適切な経営計画をたて、現場と経営陣がコミュニケーションをとることで現状を把握することも必要です。不適切会計を繰り返さないために、企業のさらなる意識改革が求められています。

 

不適切会計開示企業推移

不適切会計開示企業 内容別

不適切会計開示企業 発生当事者別

悪循環を断ち切るには、経営陣のコンプライアンス意識の浸透と責任感、そして日常的な現場と管理部門の風通しの悪さの解消に努めなければなりません。

経済のグローバル化で事業規模が拡大し、海外子会社を通じた取引での不適切会計も増えています。

社内のコーポレートガバナンスやコンプライアンス意識向上とともに、風通しの良いコミュニケーション環境を現場・管理ともに協力し整えていくことで、不適切会計の繰り返しを回避することが、企業には今後ますます求められるでしょう。

 

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平成29年5月の会計

▼3月決算法人の確定申告と納税▼

3月決算法人では、法人税と消費税の確定申告・納付の時期です。
ほかにも、事業年度終了後2か月以内に申告・納付する税金として、法人事業税・法人住民税などがあります。決算事務の総仕上げとなりますから、確実に申告・納付を行ないましょう。
また、決算後の配当金の支払いに関しても、税務署に提出する支払調書の作成、配当金からの源泉徴収・納付事務があります。

▼個人住民税の特別徴収の準備▼

個人住民税の特別徴収は、納税義務のある社員に代わって、4月1日現在の給与支払者(特別徴収義務者)が、毎月の給与から税額分を差し引き、翌月10日までに納付する制度です。
税額は、毎年6月に切り替わり、翌年5月まで年12回の均等割額です。端数額は6月分で調整しますが、計算の必要はありません(6月分の納付期限は、7月10日です)。通常、各社員の住所地の市区町村から送られてくる納税通知書に従って納付するだけです。
徴収額は、給与台帳や給与計算表に転記しておくとともに、1部を社員本人に交付します。また、パソコンで給与計算をしている企業では、忘れずにデータを更新しましょう。

▼固定資産税(都市計画税)の2017年度第1期分の納付▼

固定資産(土地・家屋・償却資産)は、国の評価基準にもとづいた「適正な時価」から課税額が算定されます。
納付時期、価格修正通知などの扱いは市町村によって異なりますが、多くは、4月末から5月末の間に、第1期分の納付期限を設けています。
都市計画税は、原則として市街化区域内にある土地・家屋にかかる税金です。償却資産は課税対象にはなりません。固定資産税とあわせて納めます。

▼自動車税・軽自動車税の納付▼

自動車税・軽自動車税は、4月1日現在の車の所有者に対して課される税金です。都道府県または市区町村から送られてくる納税通知書に従って、期限までに納付します。
4月2日以降に車を売却または譲渡した場合でも、納税通知書は4月1日現在の所有者に送付されます。
なお、「グリーン化特例」については、ことしから対象の基準が厳格化されています。

▼9月決算法人の中間申告▼

9月決算法人は、法人税の中間申告の時期です。
この中間申告には、前年度の法人税額の2分の1を申告・納税する予定申告と、仮決算による申告の2つの方法があります。
仮決算した場合の法人税額が前期基準額(前事業年度の確定法人税額の2分の1)を超える場合は予定申告のみとなりますが、選択可能であれば、自社の業績や事務負担を勘案のうえ、有利な方法を選択してください。

▼夏季賞与の検討準備▼

夏季賞与の支給を予定している企業は、支給額の検討を始めます。
経済情勢や賃金相場など情報の入手先としては、業界団体・商工会議所・金融機関、各種紙誌の調査資料などがあります。情報収集と並行して、人事考課や査定の準備も進めます。

▼賃上げに伴う初任給の確定▼

4月に賃上げを行なった企業では、通常、その結果をふまえて新入社員の初任給に反映させます。
賃上げが確定した段階で、在籍者の給与の改定とともに、初任給の見直しも忘れないようにしましょう。

▼障害者雇用納付金の申告と納付▼

常時雇用者数が101人以上の事業主は、雇用障害者数が法定雇用率(2%)を下回る場合、未達成1人につき月5万円(一定の事業主は特例により4万円)の障害者雇用納付金を納めなければなりません。
毎年4月から翌年3月までを1年度とし、月初の状況にもとづいて、各月の金額を積算したものが年間の納付額となります。2016年度分の納付金の申告・納付期限は5月15日です。法定雇用率を超えている場合は調整金等が支給されます。対象事業主で基準を満たしていない場合は、早めに手当てをしておきましょう。

 

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