【法務】「2025年問題」改正育児・介護休業法施行
「2025年問題」とは?
日本は、諸外国に例をみない速さで高齢化が進んでいます。2025年には、約800万人といわれる団塊の世代が75歳の「後期高齢者」となります。そして、この年齢になると、要介護の発症率や認知症が一気に増えることが明らかにされています。
ここでさらに問題視されるのは、親世代の介護によって、介護離職者が加速するリスクです。総務省の調べによると、介護・看護を理由に仕事を辞めた人は、年間10万人に達しました。
このままでは、団塊世代が後期高齢者となるころ、介護離職が大きな社会問題となることは避けられません。
介護を担うであろう多くの人たちは、40代後半から50代全般、つまり定年を迎えるまでの長い間、仕事と介護の両立という課題を抱えることが予想されます。
この年代は、就労者の中でも役職者や役員のキーマンとして働く世代です。突然大量に退職されるようなことがあっては企業側としても困りますし、介護する家族を抱えた失業者が増えることは、社会的に深刻な問題となります。
2025年問題を踏まえて、政府は2020年初頭までに「介護離職ゼロ」を推進し、必要な介護サービスの確保と、働く環境改善・家族支援を両輪とした取り組みを行っています。
その一つとして、2017年1月1日から、改正「育児・介護休業法」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)が施行されました。
介護休業の改正ポイント
「介護休業」で大きく変わった点を挙げてみましょう。
これまでは介護を必要とする家族(対象家族)1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得が可能とされていました。改正後は、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に介護休業を分割して取得できるようになりました。
また、介護のための所定労働時間短縮措置(選択的措置義務)については、介護休業と通算して93日の範囲内で取得可能とされていたものが、改正後は介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能となりました。
介護のための残業免除(所定外労働の制限)についても、対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで受けられるようになります。
「介護休暇」は、新たに半日単位での取得が可能となっています。
介護保険料の見直しも
アラフォー世代の人たちにとって、親の介護は決して遠い話ではありません。何よりも、40歳になると、介護保険料が給与から天引きされるようになります。
受けられる介護サービスは、65歳以上(介護保険第1号被保険者)と比べると限定されますが、40歳になると自身も介護サービスを受けられる介護保険被保険者(40歳~64歳までを「第2号被保険者」といいます)になるのです。
そして今後、介護保険のニーズが高まるにつれて、保険料も見直しが適宜行われていくことになるでしょう。現役世代が支払う介護保険料の見直しについては、2017年8月分から段階的に実施する方向で検討が始まっています。
今後は、身のまわりで介護する人・される人は、増えていくでしょう。自分の上司が介護休業を取るといったこともあるかもしれません。そうしたとき、私たち一人ひとりにかかわる社会全体の問題として捉えていきたいものです。
【税理士法人Bridge大阪】
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