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【法務】相続税申告簡便化(法定相続情報証明制度の新設)

相続税申告簡便化のねらい

相続が発生した場合、相続人は被相続人の預金払い戻し等の手続きを行う一方、被相続人名義の不動産に関する所有者変更登記は後回しになるケースが多発しています。

それにより、所有者変更手続きが行われないまま放置された土地や空き家が、所有者不明になってしまうということが問題となっています。

現行制度では、被相続人の預金の払い戻しや不動産の相続登記を行う際には、戸籍関係書類等が必要になります。

そして、被相続人の口座がある銀行等ごと・相続財産となる不動産の管轄が異なる法務局ごとに戸籍関係書類等の一式が必要となっているため、その数が多ければ多いほど相続人に係る事務負担が増えてしまいます

この事務負担の煩雑さを解消するため、法定相続情報証明制度(仮称)を設けることで、相続登記の促進を図っていこうというのが本制度の狙いです。規則の改正にあたっては、行政手続法所定の意見公募手続(いわゆるパブリックコメント)を経て、5月には運用開始を法務省が目指しています。

法定相続情報証明制度とは

被相続人の戸籍に関する戸籍謄本等の書類を法務局に提出しておけば、その後は法務局が戸籍謄本の代わりに1通の証明書として出してもらえる制度のことをいいます。

法定相続情報証明制度に関する意見募集

法務省では
不動産登記規則の一部改正(案)(法定相続情報証明制度(仮称)の新設)に関する意見を募集しております。

受付開始日  2016年12月22日
受付締切日  2017年01月31日

パブリックコメント:意見募集中案件詳細について

法定相続情報証明制度の背景

・戸籍集めは面倒なもの

現在の相続手続きでは、銀行口座の解約をする際、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本などの資料を大量に集める必要がありました。

これは相続人にとって大きな負担です。通常はその内容を読み慣れない戸籍を何通も集めなければなりません。昭和の前半の戸籍ともなるとある意味達筆すぎて読めないものもあります。

結果として、金融機関・官公署の負担と所有者不明の不動産が増えることとなりました。

また同じく被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等が必要な、相続登記の申請が面倒でされておらず、だれが所有者なのかわからない?といった不動産が多数存在することになります。相続が発生したとしても登記をする必要性・しなかった事によるペナルティは現行民法ではありません。

法定相続情報証明制度はこのような負担を少しでも軽減しようとするものです。

・自分で手続きをしたいという人のサポート

今回の法定相続情報証明制度は、あくまで自分で手続きをしたい人のサポートを主眼においています。

これからも手続きは自分でしたい、という方が多数いらっしゃいます。

士業は、どうしてもその準備ができない部分のサポートを主眼においてサービスの構築をしてまいります。

相続税相談センターHP
http://www.souzokuzei-osaka.net/

 

【税理士法人Bridge大阪】

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