【平成29年3月の会計】確定申告の後は-納付・未-無申告のとき
平成28年分所得税確定申告は、昨日3月15日(水)までがその期限とされておりました。
確定申告書の提出は、いわば「税金を納めるもしくは、足りない税金を支払うため」あるいは「納め過ぎた税金の還付を受ける」準備ととらえることもできます。
確定申告書を提出した後、留意すべきポイントは以下のようになります。
・ 納付期限は、所得税は3月15日、消費税は3月31日までです。振替納税にすると納付期限が通常より約1カ月先になります。 ▽振替納税結果/還付金処理状況確認と税金納付Q&A2017.3.15up
・還付金は1カ月~1カ月半後に振り込まれますが、e-Taxの場合は提出して約2~3週間後に振り込まれます。
・住民税や国民健康保険料を納めるのはこれ以降となりますので、その資金も残しておくようにしましょう。
また、申告をおこなわなかった場合、以下のようなことが考えられます。
未申告とは
「申告をしなければいけないのに決められた期限までに申告をしていないこと」です。
過去に未申告分があっても、今年の分だけ申告することは可能です。しかし、未申告分がある場合には、税務署からお尋ねが来る可能性は高まります。
税務署からのお尋ね(税務調査)が来てから申告するよりも、みずから申告した方が納税額は少なく済みます。そのため、未申告分も含めて申告をすることをおすすめします。
無申告とは「申告をしていないこと」です。
何年も無申告の状態でいると、税務署から調査が入る可能性が高くなります。
申告をしていないことが判った場合は、重いペナルティが課されることになります。
確定申告を期限内に行った場合に納める税金以外に、無申告加算税や延滞税を支払わなければいけません。
特に延滞税は、納付期限から過ぎれば過ぎるほど金額が増えてきますので、無申告のままにせず、すぐに対処することが重要となってきます。
そのため税務署から指摘される前に、ご自身で速やかに申告を行うことをおすすめします。
無申告分が何年もある場合は、税理士に相談するのも一つの解決策といえます。
確定申告の必要がある人は?
給与所得者の場合
- 給与収入の年額が2,000万円を超える人
- 1カ所から給与をもらっている人で、その他の所得が20万円を超える人
- 2カ所以上から給与等をもらっていて、主ではない給与やその他の所得が20万円を超える人
- 源泉徴収されない給与をもらっている人
個人事業主やフリーランス
- 年間の所得金額から所得控除や税額控除を引きいても、まだ課税所得がプラスになる人
年金生活者など
- 公的年金の収入が400万円を超える人
- 公的年金以外の所得が20万円を超える人
▽【法務】年金受給者の方へ~確定申告不要制度と還付申告~2017.2.27up
以上の要件に当てはまる人は、国民の義務として確定申告をして納税する必要があります。
未申告が判ったらどうなる?
税務署はさまざまな情報源を持っています。ご自身で申告を行っていない場合でも、収入を得た取引先の申告内容と照らし合わせれば、すぐに申告をしていないことがばれてしまいます。
税務署には様々な情報が入ってくるため、税務署が申告漏れや申告内容のミスなどに気付いた場合には、税務署からお尋ねが来ることになります。
自分の申告内容などに根拠があり自信がある場合には、税務署を説得することも出来ます。ですが、自分に非があるとわかっている場合には、素直に税務署からの指摘を認め、修正申告などを提出した方が得策です。
申告漏れや申告内容にミスがあった場合には、余分に税金を支払うことになります。
例えば、申告期限に間に合わず、期限後に申告を行った場合や税務署に指摘をされてから申告を行った場合には、延滞税や無申告加算税を余分に支払うことになってしまいます。また、税務署からの指摘を受けてから申告を行った場合よりも、税務署に発覚する前に、自主的に修正申告を提出した方が税金は少なく済みますので、自主的にミスを認めた方が良いでしょう。
無申告が判ったらどうなる?
まず、無申告加算税が課されることになってしまいます。
この無申告加算税は、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額になります。
例えば、納付すべき税額が110万円だった場合、(50万円×15%)+(60万円×20%)=195,000円が上乗せされることになるのです。さらに、納付すべき金額が520万円と高額になると、(50万円×15%)+(470万円×20%)=1,015,000円と延滞税も高くなってしまいます。
無申告加算税以外にも延滞税が発生します
納付すべき期限までに納付されない場合には、延滞したと見なされ延滞税が発生します。延滞税は時間が納付期限から納付する日までに時間が経てば経つほど金額が高くなっていきます。
納付期限の翌日から2ヵ月を超える日までに納付した場合には、年7.3%の延滞税が課されます。また、納付期限の翌日から2ヵ月を超える日以降の日に納付した場合には、さらに税率が高くなり、年14.6%の延滞税が課されることになります。
つまり、納付する日までの期間が長くなればなるほど、延滞税の金額は高くなってしまうため、早めに納付を行う方が良いです。
無申告の場合、自主的に申告したほうがいい理由
自主的に申告した場合には、上記の二つのペナルティを軽減することが出来ます。
無申告加算税の場合、自主的に申告したならば、税率が5%に軽減されます。
先ほどのように、納付すべき金額が110万円だった場合、110万円×5%=55,000円の延滞税になります。つまり、税務調査などで発覚した場合の無申告加算税195,000円よりも、140,000円も軽減することが出来ます。これが、何年も無申告のままで納付すべき金額がもっと多額だった場合には尚更です。
さらに、延滞税の場合も、無申告のまま発覚までをすごすより、申告した方が納付期限からの経過日が短くなるため、ペナルティを軽減することが出来ます。
無申告ということが発覚した場合、社会的信頼も損なう可能性があります。
さらには、しっかりと納税を行っていなかったことにより、クレジットカードが作れなくなったり、住宅ローンなどを組むことが出来なくなってしまうケースもありますので、早めに税理士などに相談し申告を行うことが大事です。
確定申告をするには?
では、どのようにして確定申告を行えば良いのでしょうか?自分で行う場合には、紙で申告する方法と電子で申告する方法があります。
紙の申告書は国税庁のHPでダウンロードすることが出来ます。電子で申告する場合にはe-taxというオンラインサービスでパソコンから簡単に申告することが出来ます。自分で申告する場合には、確定申告書の作成方法などが載っている本などを参考にすると良いでしょう。
自分で申告書を作成する自信が無い、忙しくて作成している時間が無いというような場合には、税理士に代理申告を委任することも出来ます。費用はかかりますが、税務上問題ないように、正確な申告をしてもらえます。未申告分をまとめて依頼をするとよいでしょう。
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平成29年3月の会計
▼2016年分確定申告の申告期限▼
2016年分の所得税および復興特別所得税・個人住民税の確定申告の申告期限は3月15日です。
給与所得者であっても、昨年末に年末調整を受けなかった人、2016年中の年収が2000万円を超える人、給与以外の所得の合計が20万円を超える人などは、原則として確定申告をしなければなりません。
▼3月決算の方針の検討▼
決算に当たっては、まず自社の決算方針を定めることから始まります。
黒字が見込まれる場合は、翌期以降の経営資源としてどれだけ内部留保するのか、有効な節税対策はないのか、など、将来に向けた戦略的な視点をもって、適切な手を打ちましょう。
一方、赤字で金融機関からの資金調達に不安がある場合は、少しでも当期の損失を減らす方法がないかを検討します。
もっとも、資金面の不安がなければ無理に赤字幅を圧縮せず、繰越欠損金として処理したほうが、税務上、有利になるケースもあります。
▼3月決算の準備事務▼
決定した決算方針をもとに、実地棚卸、現金・受取手形・売掛債権・有価証券などの実査、仮勘定の精算、各種引当金の設定資料の準備などを段取りよく進めましょう。
決算では短期間に多くの事務をこなすため、直前になって駆込み処理をしたり、見切り処理をする状況では、思わぬミスや見落しが発生し、税務調査等でトラブルになりかねません。余裕をもった事前準備と早めの対応を心がけたいところです。
▼納税資金などの資金手当て▼
3月決算法人では、決算の仮締めをした時点で、おおよその納税額や役員賞与の額、配当金額などがみえてくるはずです。
つなぎ融資の必要がある場合には、早めに取引金融機関に借入の申込みをしておきましょう。
▼新事業年度の収支予算計画の策定▼
新事業年度の経営計画や収支予算計画の策定が詰めの段階を迎えている企業もあるでしょう。
経営計画や収支予算計画の策定に当たっては、これからの景気動向の分析なども重要です。様々な機関から分析結果や今後の予測等が発表されますから、できるだけ多くの情報や資料を集めて検討します。
また、予算計画の策定では支出の基準を明確にしておきたいものです。支出に際して「そのつど稟議に諮る」「○○万円以上は社長決裁とする」など手続きや基準を定めましょう。
▼売掛金等の確認と回収▼
売掛金等の債権の残高や回収状況の把握・確認は、日常的にきちんと行なっておかないと、トラブルが起こったときに慌てることになります。
なかなか管理が行き届かない企業もあるようですが、決算期前には少額のものも含めて債権の確認作業を行ない、完全回収に努めましょう。
この把握・確認は、決算に当たって貸倒損失として処理すべきか否かの判断の際にも必要となるものです。
また、年度末に向けて、受取手形や小切手の事故も多くなる時期です。不渡りがあると自社の資金繰りが破綻しかねませんから、営業部門とも協力しながら管理を徹底しましょう。
▼新事業年度の業務計画の確認▼
新事業年度の経営計画を受けて、総務部門でも社内行事・事務、法定事務などの業務計画をより細かく確認していきましょう。
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